日本の肥満治療を変える新薬「ウゴービ」登場!
肥満治療における新たな希望として注目されているのが、2023年1月に承認された新薬「ウゴービ(セマグルチド)」です。肥満治療の保険適用範囲が拡大し、これまで制限が多かった肥満治療に革命が起きるかもしれません。この記事では、日本における肥満治療の現状、課題、そして期待の新薬「ウゴービ」について詳しく解説します。
肥満は病気?肥満が引き起こす11の関連疾患とは
肥満はBMI25以上と定義され、多くの病気のリスク要因となります。以下の11疾患は「肥満関連疾患」として特に注意が必要です:
- 糖尿病や耐糖能異常
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症
- 心筋梗塞や狭心症
- 脳梗塞、TIA
- 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
- 月経異常、不妊
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 運動器疾患:変形性関節症
- 肥満関連腎臓病
肥満がこれらの疾患と合併、または合併のリスクがある場合は「肥満症」として治療が必要とされています。
日本における肥満治療の現状と課題
日本では保険診療で使える肥満治療薬が制限されています。これまで保険適用で使用できた薬は、BMI35以上の高度肥満者にのみ処方できる「マジンドール」のみでした。副作用のリスクが高いため、適用範囲が厳しく制限されていました。
一方、糖尿病治療薬として使われている「GLP-1受容体作動薬」には、空腹感を抑え、満腹感を促進することで体重減少を促す効果がありますが、糖尿病のない肥満症患者には使用が認められていませんでした。そのため、自由診療で高額な費用を払って処方を受ける必要があったのです。
新薬「ウゴービ」の登場で変わる肥満治療
このような状況を打破するために登場したのが、「ウゴービ(セマグルチド)」です。BMI27以上で、肥満関連疾患を2つ以上有する人を対象に、週1回の自己注射で使用することが可能です。治療効果は非常に高く、68週間で13%の体重減少が期待できるとされています。
さらに「ウゴービ」は保険診療の適用内で処方可能になったため、専門医の診察を受けつつ、定期的なフォローアップを受けることで、安全かつリーズナブルに治療が行えるようになります。これにより、自由診療よりも安心して治療ができる時代が訪れようとしています。
まとめ:肥満治療に薬の力をプラスして効果的に減量
肥満治療の基本は、食事療法と運動療法です。そこに効果的な薬物治療を組み合わせることで、より多くの人が減量に成功する可能性が高まります。今後は内科医に相談することで、体にも財布にも負担が少ない肥満治療を受けられる時代が来ることを期待しています。
肥満にお悩みの方は、ぜひ専門医の診察を受け、最新の治療方法で健康的な体づくりを目指しましょう。