「呼吸がしづらい」「息苦しい」などの症状が現れた場合、これは過換気症候群でしょうか?それとも過呼吸でしょうか?
この記事では、過換気症候群と過呼吸の違いを医師が解説し、発作が起きた際の応急処置もご紹介します。
「過呼吸」「多呼吸」と「過換気症候群」の違い
- 過呼吸:1回の呼吸が深くなる状態で、呼吸回数は変わらないことが多い
- 多呼吸:呼吸が深くなると同時に、呼吸の回数も増えること
- 過換気症候群:ストレスなどが原因で、過度に呼吸が早まり息苦しさを感じる状態
過呼吸・多呼吸の原因は?
過呼吸や多呼吸は、運動や肉体労働によって体が酸素を必要とするときに起こります。
過換気症候群の原因は?
過呼吸や多呼吸がきっかけで、体内の二酸化炭素が減少し、血液中の炭酸ガス濃度が低下。これにより、血液のpHがアルカリ性に傾き、電解質バランスが崩れることで、意識が遠のいたり手足がしびれるなどの症状が引き起こされます。過換気症候群は、神経質や真面目な性格の人に多いとされています。
過呼吸・過換気症候群の応急処置
- 吸った息を10秒かけて、ゆっくり吐き出す
- 息を止めてみる
- 息を吸う:吐く=1:2で呼吸をする
この時、深呼吸は不要です。慌てず落ち着いて、ゆっくりとした呼吸を心がけましょう。
救急車を呼ぶべきケース
症状が悪化し、全身にけいれんが起きたり、激しい呼吸困難や意識が遠のく場合は、救急車を呼び医療機関に搬送してもらうことが必要です。通常は30分〜1時間程度で症状が落ち着き、命にかかわることは少ないとされています。
病院に行くべき?何科を受診するか
息苦しさや胸の痛みがある場合、自己判断は危険です。内科・呼吸器内科でまず検査を受けることが推奨されます。検査で異常がなければ、心療内科・精神科の受診を検討してください。
治療方法
- 心の病気が原因:パニック障害や不安障害などに対して、認知行動療法や薬物治療を行います。
- 心臓や肺の病気が原因:原因を突き止め、薬物治療や手術が行われます。