私たちがうったえたいこと

一体、誰のための新庁舎なのでしょうか?

 現在、松江市では、老朽化した市庁舎の建て替え事業が進められています。
 市は、各種委員会、審議会、ワークショップ、パブリックコメントなどを実施して、ホームページに公開しており、必要なステップは踏んできたと説明しています。
 しかし、新庁舎建設の始めの一歩、市民の関心が高く、議論が分かれる建設地については、市民や、第三者委員会による議論や検証がなされないまま、「現有地への建て替えありき」で新庁舎建設計画が開始されました。
 昨年11月、当初120億円だった事業費が150億円へと大幅に増額された時にも、市民に対する説明、第三者委員会、パブリックコメントなどは、一切行われませんでした。 
 残念ながら、こうした大事な節目において、市民不在の意思決定が行われてきたのです。
 巨額の予算を投じる一大事業であるにもかかわらず、市は、市民が誰でも参加できる説明会や質疑の場は、今までに一度も設けていません。そのため、多くの市民は、新庁舎建設事業が進んでいることすら知らないのです。
 果たして、これで「ステップを踏んできた」と言えるでしょうか?市民は、意思決定に参加した自覚があるでしょうか?市は、「市民のための新庁舎」と胸を張れるのでしょうか?
 新庁舎建設は、現在の市民はもちろん、将来の市民のための資産であるからこそ、拙速に進めるのではなく、多額の費用がかかる現地建て替えの是非、その事業規模や必要な機能などについて、将来に禍根を残さぬよう市民と熟議を重ね、説明責任を果たすのが行政のあるべき姿だと考えます。

 

建設費が、150億円に大幅増額!

 新庁舎建設事業費は、当初120億円でしたが、昨年11月になって、突然大幅に増額され、150億円(25%、30億円増)と公表されました。 
 市は、事業費増加は、オリンピック開催に伴う建設単価の上昇や詳細な積算方法の影響によるもので「致し方ない」として、当初計画を見直すことなく強引に建設事業を進めています。
 事業費150億円のうち100億円は、私たちの子や孫の世代の負担となり、令和40年まで借金返済を続けなくてはなりません。
 市はこれまで、厳しい財政状態を理由に、公共施設の廃止・統合、施設利用料の増額、市民団体の活動助成の打ち切りなど、市民生活や福祉に直接関係する施策の廃止や縮減を次々と実施してきました。
 コロナ禍の影響により歳入の減少が予測される中、150億円もの巨費が投じられることになれば、歳出面での大きな負担となり、私たちが必要とする市民サービスの水準が低下することが心配されます。市民が市庁舎に求める機能や仕様を把握したうえで、抜本的に計画を見直し、建設事業費を抑えるべきではないでしょうか?

 

現有地建て替えは、誰がどうやって決めたの?

 一般的に、現有地での建て替えは、更地に建設した場合に比べて、工期が倍以上かかり建設費も嵩むと言われています。
 市内の更地に建設すれば、事業費も事業期間も大幅に削減できるにもかかわらず、なぜ現有地建て替えとなったのでしょう?
 市のホームページに公開されている資料には、更地に建設した場合と比較し検討した形跡はまったくありません。現有地建て替えに至った経緯は不透明で不可解と言わざるを得ず、市民にわかりやすい形で、両者のメリット、デメリットを示したうえで判断されるべきものと考えます。

 

今、松江に必要なのは、巨額の費用を要する新庁舎でしょうか!?

 新型コロナウイルスの感染拡大により、松江市の地域経済や市民生活が、深刻な影響を受けています。
 松江市の歳入歳出についても、これまでの経済活動を前提とした税収を見込むことは困難になっているうえ、生活に困窮している市民への経済支援など新たな財政出動が必要であり、歳出の増加が想定されます。
 経済の悪化は長期化することも指摘される中で、市の限られた予算を使って今、最優先に取り組むべき課題は、巨額の財政負担を伴う新庁舎建設でしょうか?
 不要不急の事業をコロナ禍の混乱のどさくさに紛れて進めるのではなく、市民生活を守ることに全力を注ぐのが行政や議会の役割だと思います。

 

ポストコロナの新庁舎のあるべき姿は?

 コロナ禍後の日本社会は、オンライン化やテレワークが一挙に進み、社会のあり方が根底から大きく変わると予想されています。
 行政サービスにおいても、今回のコロナ禍を改善や変革の機会とすることが重要であり、行政サービスを実現する新庁舎についても、コロナ禍前の計画を踏襲するのではなく、発想の転換による機能やデザインの見直しが求められます。

 

市民による、市民のための新庁舎建設を!

 松江市は、「市民に開かれた新庁舎」をつくるとしています。本当にそうであるならば、市民との十分な対話を行うのが難しいコロナ禍の陰で先を急ぐのではなく、一度立ち止まり、あらためて市民の声を聞くべきです。
 私たちは、新庁舎建設そのものに反対しているのではありません。しかし、私たち市民には、将来松江で暮らす人びとにどんなまちを残すか考える責任があります。市民のための松江を、市民がつくっていかなくてはなりません。
 行政まかせにするのではなく、私たち市民も松江が正しい方向に進むために声をあげなければいけない、私たち一人ひとりの力こそが松江の豊かな未来を実現するとの想いから、この会を立ち上げました。

 

新庁舎建設見直しの最後のチャンス!

 市庁舎は、一度建て替えれば70年以上の永きにわたって使用される、私たち市民の大切な財産です。着工前の今が、この建設事業のあり方について声を上げる最後のチャンスです。
 今、松江市の健全な民主主義が試されています。私たちは、松江市長ならびに松江市議会に対して、市民との十分な対話、市民目線に立った「松江市民のための新庁舎建設」を求めて、松江市新庁舎建設の見直しの是非を問う住民投票条例の制定を強く要望します。

 

「松江市民のための新庁舎建設を求める会」